《虫たちとのまぐわいかた》
2023/8
 白色布、UV-LEDライト、LEDライト
 パフォーマンスとその記録映像、 バイノーラル録音による虫たちが体を這いずり回るASMR 
自分で虫を捕まえにいくのではなく、紫外線を自身の身体に浴びて虫たちに来てもらう。自身が被る白い布の1枚向こう側には虫たちが飛び交い、そして這いずり回る。視覚以外の感覚によって、虫たちを感じてみる。
これまで私は 、手に取って眼差さなければ昆虫のリアリティを感じられないと思っていた。だが一方で、眼差すことで生じる力関係もあった。手に取って虫を眼差すことは、虫たちには生死のかかった状況でもある。掌の上の虫は、必死に逃れよう と暴れまわる。眼差すという私の欲望が、虫たちを傷付ける一方的な行為となってしまうのだ。
そこで、眼差すことから離れて虫を感じるために、白い布を被って 視界を遮ることにした。布を被った私に紫外線を照射すると、昆虫 たちが目指して飛んでくる。私の周りに集まる虫たちを布越しに感じる。視覚的には虫のリアリティを得ることができなくても、代わりに得られるものもあのではないだろうか。
光に寄せられたカメムシ同士の交尾。
制作の場が、命の繋がりを育くむ場へと変化した。
2023.8.11
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2023.8.17
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2023.8.19
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