
《空白の輪郭 / Bleaching Memories》
2024.12 | 写真、漂白機構 | インクジェット・プリント、電解装置、海水、Cl₂
W450×D450×H450mm
作家本人の瞳に海が映り込んでいる。その景色を撮影した写真が漂白される。
色を抜く脱色ではなく、漂白によって無色の化合物に変化させる行為は、色素そのものを消し去ることであり、極めて暴力的なものだと言えます。しかし、イメージを焼き付けていた場所は空白になってしまいますが、漂白された支持体は確かに残り続けます。
本作では、現時点で作家がイメージとの別れ方として最もふさわしいと思う方法で、海への眼差しとの別れを表明します。日常的な景色に別れを告げるように、作者は海水から発生させた塩素を用いて写真の色素をも無色に変えていきます。
